加藤諦三の「自分に気づく心理学」

自分心理学

 

加藤諦三の「自分に気づく心理学」を読む。

興味深い言葉が沢山あったので一部をご紹介。*でも、全体を読み通すことで理解が繋がってくる一冊なので、興味ある人は全文を読む事をお勧めします。

 

 

自分がやりたいことをやらないでおいて不満になる人は、周囲の人に気に入られるだろうというようなことをする。ところが、実際に周囲の人が期待しているのは、その人がしたいようにすることである。

 
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この人は自分を見捨てることがない、という安心感を持った時、人は甘えを表現する。だが、甘えることはみっともないことと、生真面目な人は思っている。そして相手に見捨てられたくなければないほど、その甘えの表現をさしひかえる。

 
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神経症的現代人に求められているのは、それぞれの人生で自分の努力の方向を修正することである。次々にものごとを達成している時に、人生うまくいっていると感じるよりも、人々と親密になれた時自分の人生がうまくいっていると感じて気持ちが落ち着くようになれば、成功である。

 
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この世には幸いして甘えの欲求を小さい頃満たされた人もいるし、不幸にして満たされなかった人もいる。七転八倒してやっと情緒的に大人になった人もいる。それはそれぞれの生まれた環境の問題である。自分は甘えの欲求を不幸にして満たされなかったと言う人は、それを素直に認めて、どう満たそうかと考えるのが大人である。合理化をしている限りいつになっても大人になれないし、神経症的人生で生涯を終わるしかなくなってしまう。

 
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理由もなく不愉快になるのは、何か自分の欲求を自分が隠しているからである。自分が隠しているものの中で最も一般的なものは、幼児性である。

 
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自分にむけられる他人の感情のうち、心の底の自分のイメージにあうものだけを人は信じる。心の底で自分を嫌っている者は、他人の好意を何となく申し訳なく感じてしまう。だから気持ちが落ち着かないのである。(他人は、あなたに)欠点があるからあなた自身を嫌いになるわけではない。あくまでも「好きなあなた」の嫌いな点であって、それによってあなたへの好意が変わるわけではない。心の底で自分を嫌いな人はどうしてもこのことを分ろうとしない。他人が自分の長所を褒めてくれると「嫌いなあなた」の好きな点として理解してしまう。

 
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相手に実際の自分と違った自分を印象づけることに成功することはある。心の底では自分に自信がないのに、相手は自分が自信に満ちていると思う時がある。しかしだからといってその人は生きていることが楽しくなるかというとそうではない。基本的にはより一層実際の自分から自分が遠くなっていくだけである。より一層生きている実感を失っていくだけである。より一層自分が誰であるか分らなくなっていく。より一層アイデンティティーは崩壊する。より一層自己不確実感は深まるだけである。

 
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人に好かれるということは、相手は自分に満足しているということである。何もしてあげなくても、自分と一緒にいることで満ち足りているということである。心の底で自分に満足していない者は、相手が単に自分といるだけで満足しているということが想像できない。そこでいろいろと無理をする。何らかの奉仕をしようとする。何か役にたとうとする。

 
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人間関係で困るのは、愛という名の幼児性、道徳という名の幼児性、正義という名の幼児性である。

 
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他人に心理的に依存しなくなってはじめて、他人の好意を感じられるようになる。

自分は愛されない存在だと決め込んだのは自分である。今度は「自分は生きるに値する存在なのだ」と自分で決断しなければならない。 

 
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。

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