Cocktail Short Stories | 真冬のピニャコリャーダ

 

 

出逢って2年、私たちは結婚した。

3年目で子供を授かった。いわゆるハネムーンベイビーってやつ。

あの頃は楽しかった。どこへ行くにも手をつないでた。

出産の時も、ずっと手を握っていてくれた。

 

想像以上に育児は大変。

周りの女友達は、婚活とか言いながら合コンしまくってるし、なんだか私だけ別の次元にいっちゃった感じ。

 

もちろんベビーちゃんはかわいいよ。

でも、夏男が、今日は先輩と飲み、とか言って夜遅く酔っぱらって帰ってくると、私だけ?って気持ちになって、なんだかムカつく。

今日も突然会社から電話があって、「おふくろが夕方そっちにいくから」とか言っちゃって、やっぱ、超自己中。イライラ。

 

ピンポーン。

 

夏男が帰ってきた。

義理母に子供を預け(すいません)、いきなり私を外に連れ出す。

しかも行き先はいきなりバーかよ!(私、母乳あげてるんですけど・・・)

 

カウンターに座る。何も言わないままマスターが出してくれたのは、アルコール抜きのピニャコリャーダ。

「いつもありがとう。たまにはハワイのハレクラニで飲んだあの味を一緒に飲みたくてさ」と、夏男。

 

「この真冬にピニャコリャーダ?寒いんですけど。

その代わり、寒いから帰りは手をつないで帰ってよ」と私。

 

 

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