野地秩嘉の「企画書は1行」

企画は一行

野地秩嘉の「企画書は1行」を読みました。

企画書を書くのが僕にとって仕事の半分を占めるといっても過言ではないので、この本のタイトルを見た瞬間、すでに手にとっていました。

昔から企画書のあり方については、様々な見解がありますよね。例えば、僕が一番参考にしているのは、「企画書を作るときは、企画書のタイトルをキャッチーでありながらも全体を把握できるようにして、これを3行+ビジュアルで補足する」という作り方です。さて、この本が提唱する1業とは如何に?ということで、おおいなる期待を胸に、興味津々でページをめくりました。

しかーし、読むにつれ、なんだか「とっても惜しいんだよなぁ〜」という気持ちになってしまいました。上から目線で恐縮ですが、本の内容というより、本の「構成と流れ」が読んでいて魅力的ではなかったのです。腑に落ちるのは、最初の「小山薫堂の言葉に感化されてこの本を書きました」的なイントロ部分と、後半のシー・ユー・チェンさんの「ブランドを創る一行」の部分だけでした。

構成が違ったらもう少し、腹落ちするコトバがみつかったかもしれません。とにかく「惜しい」のです。でも本を「惜しいなぁ」と思いながら読むのって、なんだか腹立たしくもあります。素直に「へー」「スゴイ」「なるほど」と本を通じて感化されたいので、やはり本における構成は大事なのです。これがメキシコの経済の転換期となった事象や、ギネスに書類を申請するためのノウハウ本ならまだしも、「企画書」に関する本なのに、その構成が弱いのというのがなんだか「惜しいぞ〜」ということなのかもしれません。

とはいえ、感じ方は人それぞれですので、以下のメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。

以下、自分の中で「引っかかり」のあったコトバです:

イントロ:小山薫堂

いくら良い企画でも、相手に伝わらなければ道端のゴミと同じ。相手が知りたいのは、企画書のなかの核心部分だけだ。

企画書はまず相手の気を引かなきゃいけない。ぱっと見て、つまらないと思われたら終わりですから。それと僕にとっては、決め手となる一行を考えついたら、その後がすらすらと書ける。企画書のなかの一行は相手の気を引くだけでなく、自分の気を奮い立たせるためでもあるんです。

一般的に企画書と言い慣らされているものの大半は、相手にイメージを伝える水先案内人ではないだろうか。相手もその通りに実現させるようとは考えていない。ゴーサインを出すための書類である。企画書を実現させようとは考えていない。ゴーサインを出すための書類である。企画書を執筆する人間は企画書の性質を頭に入れてから書く事が肝要だろう。

企画とは「自分がやりたいこと」を表現することなのである。やりたくないことを書いても、実現する企画書ではない。企画書を書く前にまず確認するのは、その企画は何を置いても自分が実現したいことかどうかを自身に問うことではないか。

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工場から生まれた一行(トヨタ)

「100万台突破を目指そう」「笑顔で目標達成」・・・トヨタの工場にはそんな決まり切ったスローガンはない。「よい品よい考え」という幕が二枚あるだけ。実態を美化しようという意思はないことがわかる。

そしてもう一つ感じたのは言語感覚だ。「あんどん」や「かんばん方式」は、他の会社ならば「プロダクト・コントロールパネル」とか「トヨタ・クオリティ・システム」といった横文字の言葉を作り、流通させようとするだろう。しかし、トヨタで働く人にとって「あんどん」は「あんどん」であり、決してコントロールパネルではない。現場から出てきた実態を使い続ける意思がある。

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ブランドを創る一行
旭川動物園「野生動物の目的。それは食べること」

さて、みなさん、象はどうやってスイカ一個を食べるかわかりますか?

象は草やリンゴを食べる場合は長い鼻で巻き込んで口に入れる。しかし、スイカのような重くてつるつるするものは鼻でつかめない。さて・・・。
象は考えた末にスイカの上にそっと前足をのせます。そして、すこしずつ重みを加えていく。一定以上の重みが加わった時、スイカはパーンと三つか四つのかけらに割れるのです。象はそうなることを知っていてスイカを割った。

それを見た他の飼育係はサルにスイカを与えることにしました。するとどうするか。サルはスイカを割りません。歯で穴を開け、手を突っ込んでまずは種だけを食べるのです。サルの主食は雑穀です。最初は雑穀に似た種だけを食べる。そのうちに果肉のおいしさに気づいて最後は全部食べてしまう。

話し下手の飼育係が考えた動物の行動を見せることが、しだいに客を呼ぶようになってきました。

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ユニクロ「ファッションの会社なんだから、まずは全員、自社の服を着よう」

初めてユニクロの本社に行った時、私(シー・ユー・チェン)はどうもおかしいと思った。従業員が着ている服が他社製品なのです。その場ですぐ提案しました。ファッションの会社なんだから、まずは全員、自社の服を着よう、それから、本社内の目立つところに自社製品を飾ろう、と。社長の柳井さん以下、すぐに私の提案を取り上げてくれました。

自社製品を毎日着るようになると、従業員自身がさまざまなことにきがつくようになり、着心地や縫製のディテールについて、活発に議論が交わされるようになりました。

そうした点の指摘から始まって、私たちが提案したのは、ユニクロの戦略資産は何かを見つけること。店頭での商品陳列の仕方、店舗のデザイン、コミュニケーショングッズのデザイン、さまざまな角度からユニクロのブランドを高めるプランをだしていったのです。もちろん、私ひとりではできません。うちの社内の人材だけでなく、アメリカから調査やディスプレイの専門家を雇ってきました。

98年当時、シー・ユー・チェンはユニクロの2005年の売上高を4000億円と予想した。同期の売上は3839億円だった。

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青山フラワーマーケット「他の花屋さんにはないコアアイテムを開発する」

青山フラワーマーケットでも、私たちが取った戦略は一緒でした。大切なのはコアアイテム、つまり戦略商品は何なのか、を考えることです。他の花屋さんにはないコアアイテムを開発することが青山フラワーマーケットのブランド力を高めることだと力説しました。

社長は駅の構内を中心に出店していきたいという希望を持っていた。よってスペースのない店舗でも売れるコアアイテムを開発することに決めたのです。それと並行して都内のさまざまな花屋さんを調べたところ、どこでも店舗で大きなスペースを占有しているのは、生花をストックしておく冷蔵ケースだとわかりました。また冷蔵ケースから生花を取り出し、花束にするだけで15分以上の接客時間がかかってしまうとも知った。

そういった状況を踏まえて私たちが提案したのは、冷蔵ケースをやめることでありワンコインで買える花束を開発することでした。そうすれば接客する時間も短くなるし、コアアイテムもできる。その結果青山フラワーマーケットの売り上げは伸び、店舗も46軒になったのです。

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UCCコーヒー「社員は創業者の名前を冠した店を失敗させるわけにはいきません」

UCCコーヒーからの相談は、おしゃれで、しかも利益の上がる影チェーンを作りたいということでした。UCCは缶コーヒーの世界では揺るぎない地位をもっています。ところがカフェはシアトル系カフェが跋扈していて、なかなか食い込むことができなかった。(中略)

よし、それならばスタバに行けないおじさんのためのカフェを作ろうと提案し、できたのが「上島珈琲店」チェーンです。注文は日本語、喫煙もOK、サンドイッチもおいしい、健康にいい「豆乳ミルク珈琲」もある。(中略)

この提案の場合、知恵を絞った点は実はコンセプトではなく、店名に「上島」と付けたところでした。

私たちコンサルタントにとって最も大切な仕事は、社内の人にやる気になってもらうことです。ユニクロのような若い会社ならばコンサルタントの提案に対して一丸となりますが、社歴の古い会社ほどなかなか外部の意見を受け入れにくい。

私はカフェの店名に創業者の苗字をつけようといいました。社員は創業者の名前を冠した店を失敗させるわけにはいきません。従業員は必死になるだろうと思ったのです。

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シー・ユー・チェンの提唱するブランドンの構築について必要な三つの方法 

1.まずはブランドアクション
ユニクロや青山フラワーマーケットの例でもわかるように、その会社の戦略的資産は何かを見つけることが大切です。資産を見つけ、育てていけばマーケットシェアが大きくなるばかりでなく、利益も増大する。見つけ出した戦略的資産は競合他社の商品と明らかに違っているものでなくてはならない。

2.次にやるのがブランド・インテグレーテッド・マネージメント
すべての観点からブランドの持つ力を高めていくこと。ブランドを伸ばしていくには商品自体をよくするだけでなく、売り場のデザイン、売り手の教育、ポスターやちらしのようなビジュアルデザインのリフレッシュなど、総合的に監修しないといけない。

3.最後が人材のネットワーク。
日本のなかだけでなく、逆にアメリカからさまざまな専門家を集めてきます。デザインでも販売促進でもアメリカにはそういった人材がたくさんいる。また、そういった人材を起用することが他社との差別化にもつながるのです。

 

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