ちきりんの「マーケット感覚を身につけよう」
ちきりんの「マーケット感覚を身につけよう」を読みました。
本の企画の古屋君からプレゼントされた一冊。
僕が言いたかったことをスベテ言われてしまったような悔しさもあり、さらに新たな学びを感じることができた、素晴らしい一冊となりました。
最近読んだ本の中で、トップ3に入るかもしれません。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
どんな分野であれ10年も働いたら、「自分には売れるモノなどない」なんてことはありえません。もしそう感じるのだとしたら、その人に足りないのは「価値ある能力」ではなく、「価値ある能力に、気がつく能力」です。
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市場化する社会
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クラウドソーシングという仕組みについて特筆すべきは、どんな仕事の需要が多く、どんな分野の供給が少ないか、といった情報が、すべての人に公開されているということです。これにより仕事を探している人は、「より高い報酬を得るためには、自分はどのようなスキルを身につければよいのか」、市場から直接学ぶことができます。
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町で一番の”ベッピンさん”は、昔なら町で一番のお金持ちと結婚していたでしょうが、今なら東京に出てモデルとして活躍し、日本全体でも大金持ちといえるレベルの起業家とくっつきます。これからは、「世界中の人とお見合いやデートをして結婚相手を探す」のも、当然のことになるかもしれません。
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私は20年前にアメリカに留学しましたが、もしも今20代であれば、留学先はおそらくインドネシアにするでしょう。数年で言語がマスターできるとは思いませんが、同級生の中から現地のビジネスパートナーを見つけることで、日本人の強みを活かしたビジネスが立ち上げられると思うからです。
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自分がどこで売るべきか、自分が高く売れる市場はどれなのか。「一生懸命頑張る!」前に、どの市場で頑張るべきかという市場の選択にこそ、マーケット感覚を働かせる必要があるのです。
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これからはあらゆるものが市場型取引に移行し、今よりずっと多くの人が、市場化という現象に巻き込まれます。
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今、アメリカでは、野球などスポーツ番組の放映権が高騰しています。理由は、それ以外のコンテンツの多くが、録画して視聴されるようになったからです。そういった視聴方法では、コマーシャルはスキップされ、消費者に届きません。このため、リアルタイムで見てもらえるスポーツコンテンツの価格だけが、高止まりしているのです。
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世の中には「自分で選ぶのが大好き」な人と、「選ぶのは面倒。誰かに選んでほしい」という人がいます。
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日本の製造業はよく「Made in Japan」を売りにしようとしますが、それと同等以上に「Used in Japan」「Accepted in Japan」「Best seller in Japan」には価値があります。ところが日本のメーカーは、「日本製」には強いこだわりがあっても、「日本で売れている」ことに価値があるとは、まだ気づいていません。
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成功しているビジネスパーソンはみんな、自分の欲望にとても正直だし、かつ、ストレートにそれを表現します。「アレがやりたい!」「これを実現したい!」と、突拍子もない要望を次々と表明します。
こうして自分の欲望に素直に向き合うと、自分の中にある欲望センサーの感度が高まり、他者の欲望や、人間全体に共通するインセンティブシステムについても、理解が進みます。
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「組織」と「市場」の意思決定スタイルの違いを理解し、組織に評価されるのではなく、市場に評価される方法を学ぶことです。
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作り込みより「とりあえずやってみる」
組織と市場の意思決定の違いは、組織が「決めてから→やる」のに対し、市場は「やってみてから→決める」という点にあります。
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失敗と成功の関係を理解する
日本で使われる「失敗に寛容」「失敗を許す」という言い方には、「失敗は悪である。悪ではあるが、一回くらいは許してやるべきだ」とか、「失敗は悪いことだが、罰するほどではない」というニュアンスが含まれています。しかし、失敗は悪い事だという認識自体が、もはや時代遅れです。
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これからは、働く企業を選ぶのと同じように、住む国を選ぶ時代になります。すでにグローバル企業は、起業した場所にこだわらず、能動的に本社を置く国を選びはじめています。
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金融分野の知識や経験は数年ですっかり古くなるし、インターネットが現れる前のマーケティングの経験は、ネット時代、ビッグデータ時代に求められるマーケティングとは大きく異なります。どんな分野であれ、20代に身につけた知識や経験などまったく役に立たない時代がくるのだから、過去に身につけた専門性に固執せず、どんどん新しいことにチャレンジした方が得策なのです。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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