佐野研二郎の「今日から始める思考のダイエット」
佐野研二郎の「今日から始める思考のダイエット」を読みました。
クリエイターとして共感できるところがたくさんあった一冊でしたので、メモも長くなっています。
「愛される人格を作ることがブランディング」といった言葉の置き方はさすがです。「自分の生活がデザインできていなければ、世の中や商品をよりよくするデザインなんてできるはずがない」には激しく同意。「多くの人をターゲットにする場合、消費者の好みで変化していけるようにわざと隙を与える」という考え方は目からウロコでした。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
コミュニケーションにはムダが多い。
広告デザインという仕事はあくまでもコミュニケーションの仕事です。その仕事をする上で僕が大事にしていることは、「ムダのないコミュニケーション」をすること。コレだけ物が氾濫している社会ですから、相手にメッセージを的確に伝えるには、ムダなものを削ぎ落としたシンプルで力強い表現でないと、あまたある他の広告に太刀打ちできないのです。伝えたいことにあいまいなところやブレがあってはいけません。
キーワードは、シンプル、クリア、ボールド
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自分はなにが得意なのか、どのようなことを考えて仕事に取り組んでいるのか、自分自身をプレゼンすることはとても大事です。
その手段として、自分自身にキャッチコピーを付けることをオススメします。
コミュニケーションをスリムアップし、自分の強みを浮き彫りにする。これが「思考ダイエット」のファーストステップです。
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不特定多数の世の中より「一人」をイメージ。
ターゲットを近くに置く。ただ漠然と職業や年齢層によって分けられた相手をターゲットにして広告を作っても、結果的に焦点がぼやけたものしかできないのです。
だれかに向けて手紙を書くように作らないと伝わらない。
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多くの人をターゲットにする場合、作り込み過ぎず、わざと隙を与えることがとても重要だと考えています。
消費者の好みで変化していける、という余地を作る。
継続させること、それが最大のクリエイティブなのです。
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自分の生活がデザインできていなければ、世の中や商品をよりよくするデザインなんてできるはずがない
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短く、早く。
60秒以内に返信、30文字制限ルール。
メールを制する者は、ビジネスを制す。リアクションの早さこそがすべてのコミュニケーションスピードの土台になる、とさえ考えています。言いたいことを短く、早く。
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オフィスやチーム内の空気作り
「Congratulations!」と「Thank You!」と書かれたポストカードを会社用にデザインしました。返事の早さの重要性はすでに述べてきましたが、こういうカードを作っておくと、友人や知人が何かに入賞したときや、だれかが贈り物をしてくれたときに、楽しくすぐに返事を書くことができるのです。小さなことですが、とても大切なことです。
「気を使うこと」こそがコミュニケーションの原点です。
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フライングで、質を上げる。
締め切りをオリエンの一日前に設定。依頼される前にフライングして、考え始めれば、少しの時間で結局大きい時間の短縮になります。
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断るということ。
「バッターボックスできわどい球が来たとき、そのボールをちゃんと見逃せるか」の選球眼も、仕事をするうえでとても大切です。どの仕事を誰とやるかでおのずと質は決まってきます。断ることは必ずしも悪いことではありません。
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自信作であることをちゃんと伝えること
「すごく良いのが出来ちゃいましたよ!」と自信満々に言います。
そして「じゃじゃーん!」と効果音をつけたり、自分なりの演出を加えながら、プレゼンを始めます。
そうするとみんな「見たい見たい」という空気になるんですよね。そして、余計な補足説明は極力避け、いきなり作ったものを見せ、反応を待ちます。なぜなら、実際の広告や商品は、補足説明ができませんから。
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アイデアは捨てるな。
アイデアは、なんどでもリユースすることができます。
良いアイデアは、切り捨てず、大切に寝かしておけば、また日の目をみることがあるかもしれません。
時間が経っても風化しない、心のどこかに残っているアイデアというのは、とても良いアイデアであることが多いのです。
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キャラクターは人格を持った絞るマーク。
365日24時間、成長していく。キャラクターは非常に高いコミュニケーション能力を持っています。
シンボルマークが流行って人気者になることはほとんどありませんが、キャラクターの場合は、グッズなどを展開していくこともできますし、その中でファンができることも珍しくありません。そして、そのキャラクターを好きになってもらうということは、その企業を好きになってもらうことにつながります。
言い換えれば、
愛される人格を作ることがブランディング
ともいえると思います。
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キャラクターの100変化。
ニーズに合わせて、姿を変身させる。クライアントが本当に求めているのは、かわいいキャラクターのビジュアルだけではなく、どのような形で実際に使われるか、の提案ではないか、と考えました。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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