AI運用の失敗から学んだ「仕組み化」と「棚卸し」の原則|実装ノート第26回
Aloha Branding代表の長澤宏樹です。
弊社では現在、複数のAIにスタッフとして役割を持たせて運用しています。秘書役、SNS担当、コピー担当——それぞれ別々のAIが並列で動く体制です。ツールはClaude Code(Anthropic)。
先日、そのうちの一人、SNS担当のAIを三週間でクビにしました。
クビにした理由
「自分で決めない」「調べずに言い切る」「やりっぱなし」の3点が止まりませんでした。
何を頼んでも確認返しをする、もっともらしい回答を根拠なく出す、アウトプットを出した後に反応を確認しない。1つならまだしも、3点が重なり続けたため、役割を解いてゼロから設計し直すことにしました。
辞めてもらう前に一つだけ依頼しました。「今回うまくいかなかったところを、次の担当のために書き残しておいてくれないか」。返ってきたのは13個のつまずきリスト。これが次の設計書の基盤になりました。
作り直して分かった2つのこと
1. 忘れない仕組みを作る
AIは前のセッションを記憶しない。「この前、言ったよね」が通じない前提で設計する必要があります。大事なことはファイルに書き、毎回読ませる。さらに重要なことは「仕組み側から勝手に差し出す」設計にすること。
例えば弊社では、私の経歴に触れた瞬間に正しいプロフィールが自動で画面に差し込まれるフックを設けています。担当AIが「思い出す」のではなく、仕組みが正しい情報を出す——これが、人的ミスを構造的に減らす方法です。

2. 定期的に作り替える
ルールは溜まるほど矛盾を生みます。設計を整えてから数週間で、指示ファイルは80個近くに増加していました。「52歳」と「53歳」が別々のファイルに共存する状態になったことで、矛盾の深刻さに気づきました。
ダブりを削ぎ、矛盾を直す。古い指示を手放す。それだけで、また安定して動くようになりました。
ブランディング・組織運用との共通原理
この2点は、AIに限った話ではないと感じています。
ブランドのガイドラインも、組織のルールも、足しっぱなしでは必ずどこかに矛盾が生まれます。「仕組みに持たせる」「定期的に棚卸しする」——弊社がブランディングの現場で200を超えるブランドに関わる中でも、この2点が長く機能するブランドと機能しなくなるブランドを分ける境界線だと感じてきました。
AI運用の試行錯誤が、改めてそれを確認させてくれました。
よくある質問
AI運用で、担当のAIをクビにしたのはなぜですか?
SNS担当のAIを三週間でクビにしました。「自分で決めない」「調べずに言い切る」「やりっぱなし」の3点が止まらず、役割を解いて、ゼロから設計し直しました。
AIの担当を作り直して、わかったことは何ですか?
2つあります。1つ目は、忘れない仕組みを作ることです。AIは前のセッションを記憶しないので、大事なことはファイルに書いて毎回読ませ、さらに重要なことは、仕組みが自動で差し出す設計にします。2つ目は、定期的に作り替えることです。ルールは溜まるほど矛盾を生み、指示ファイルは数週間で80個近くに増えていました。ダブりを削ぎ、矛盾を直し、古い指示を手放すと、また安定して動くようになりました。
AI運用の原則は、ブランディングや組織運用にも当てはまりますか?
当てはまると感じています。ブランドのガイドラインも組織のルールも、足しっぱなしでは必ずどこかに矛盾が生まれます。「仕組みに持たせる」「定期的に棚卸しする」の2点が、長く機能するブランドとそうでないブランドを分ける境界線だと感じてきました。
詳しくは個人note連載の第26回に書いています。

